2006年 06月 11日
系統的脱感作療法 レスポンス条件づけの消去
よく考えたら、たもんが家に来てからいろんな事がありすぎて、魚釣りなんて行く事がほとんどなかった。
今日行った場所は、姫路なのだけど、トトだけだとbuumiの庭にポイと入れ、「後はよろしくお願いします」と他の犬達に託し(迷惑)、釣り場へと行ってたのだが、たもんはさすがに他の犬達にはお願いできないし、buumiの犬達も高齢なので現在はトトすら中に入れられない(嬉しくても心臓に悪いからね)。
そんなこんなで、今日はまた当分行けなくなる釣り、それも思い残すことなく釣りたいと思ったので、わざわざ遠くに連れて行ってもらったのだ。
ま、それなりに釣れたし、楽しめたからいい。満足。釣りよ、また当分サヨナラ。
と言う事で、たもん君孝行なワタクシは、木曜の雨撃沈のリベンジで今日も訓練所へ行った。なんていい人なんでしょう。(。☆)\バキッ!
運動場に出てきたたもんは、ご機嫌さん。洗われてかなり綺麗になった様子。確かにツヤツヤしてるよ。
遠隔での招呼も、相互理解も、だいぶん出来るようになってきた。テケトーなところもあるけど、それでも「ま、仕方ないやってやろうか」と彼が思って動いているので、今の時点ではそれでいい。いきなり精度を高めようとしても、私とたもんの相互理解がまだ危ういので、「やろうとする姿勢」で合格なのだ。
それでも、遠くから「たもん!来い!」と呼ぶと勢いよく走ってきて、くるり、と体を回して脚側する姿を見ると、私的にはとっても上出来だと思うのだ。
もともと、彼のポテンシャルについては、私は一点の疑う余地もない。出来るけど、まだ私には完全には見せたくないという気持ちがあるのも、充分分っているから。
それと彼の問題とは別モノなのだ。
彼の問題は、家の中や訓練所の中ではいくらお行儀よく出来ても、一定の条件ではそれが吹っ飛ぶということだ。
もっとも「吹っ飛ぶ」のは「車で他の犬を見た時」だ。
日頃のお利口さんはどこへやら、あっという間に火がついて吠え掛かってしまう。
これは訓練所に預かるまでの長い期間、「車の中で吠える」という条件づけがされてしまったからである。
この悪しき条件づけを消去するためには、「系統的脱感作療法」を使う。
たもんの場合「車というテリトリーで」「他の犬を発見」「吠える」という図式が出来上がってしまい、何度も反復するうちに、「学習された条件反応」が固定されてしまっている。
これはパブロフの犬の無条件反応に相応する。
「食べものがもらえる(無条件刺激)」と犬は「涎が出る(無条件反応)」。これは犬が持って生まれた反応なので無条件反応だ。それに「ベルを鳴らす(条件刺激)」を加え学習させることで犬はベルが鳴る(条件刺激)だけで涎が出る。これを条件反応という。
「条件刺激に無条件刺激を随伴させなければ、やがて条件反応は消去される」という理論がレスポンス条件づけの消去の手続きである。
ベルが鳴っても、食べものが出てこなければ、繰り返すうちに犬は涎を垂らさなくなる。食べものという無条件刺激がなくなることで、涎を出すという条件反応が消去されるのだ。
たもんの場合も、条件刺激(犬)に対して条件反応(吠える)が起こらないように段階的に訓練するのが「系統的脱感作療法」という行動療法である。
車の中で他の犬を見つけても、吠えさせないという訓練を繰り返し、吠えるという条件反応を消去するのだが、ここでは方法は出さない。簡単には出来ない方法だ。
たもんは、この条件反応が強く入ってしまっているので、これに「拮抗(きっこう)条件づけ」をさらに加えると思われる(まだ始まったばかりなので素人の私には分らない)。
拮抗条件づけは、たもんが感じる緊張や警戒とは相反する弛緩状態をあえて条件づけることで、これをすることによって条件反応の消去が促進されるのだ。
やはり一人では出来ないので、心理学に長けた堀さんのようなプロの手を借りなくてはならない。それに時間がかかるこの訓練が、今月末に間に合うかどうかは誰にも分らない。
間に合わなくても、それは仕方ないと思っている。そんなに簡単に消去できるものではないというのだけは私にも分るから。
完全に消去できなければ、私は夏の終わりから再び預けてもいいと思っている。