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今日もトト日和 TOTO'Z FACTORY フォトグラファー&デザイナーの秋山伸子です お仕事のことや日々のあれこれを綴っています 写真のサムネイルをクリックで各記事をご覧いただけます

訓練所へ

昨日昼、パソコンは交換されたのだが、またまた初期設定。もうヤになっちゃう。
メルアドもお気に入りも入れてないので、ブログを更新するのが精一杯です。メールくださってる方、返信が遅れてごめんなさい~。今週中にはお返事しまする。
という事で、今日は超久々に犬の訓練所へ。トトもたもんもいつものごとく「わたくし達ほど良い子はこの世界にはおりません。ええ。それは確かです。」と良い子を披露していた。それをぜひとも家でもやってくれたまえよ、君達(涙)。



訓練士のHさんが連れて出してきたのは、どこにでもいる普通の柴犬。ぜんまいおもちゃのようにチョコマカと動く小さい足。プリッとしたお尻が大変キュートな可愛い子だ。この子は6歳。実は処分の話がでていたほどの「スーパー噛み犬」だったらしい。家族、近所の人々をもれなくメッタ噛みにし、どこの訓練所に相談しても「もう6歳だし、だいたい日本犬だし、それも柴犬だし、直せない。殺すしなかい。」と言われ続けてきた。そしてたどり着いたのがこの訓練所。
訓練士のHさんも、最初はどうすると噛むのかが分からないから一度は噛まれてしまうらしい。この子は耳に触れただけでも猛烈な勢いで襲ってきたそうだ。(Hさんは親指の爪を持って行かれた)身体に少し触れただけでも噛み付きにくる。最初飼っていたのは、その家族のおじいちゃん、おばあちゃんだったそうだが、どちらも亡くなってしまい、柴犬を引き取ったらしいのだが、家族には懐かなかった。ゴルフクラブで叩かれたりして、すっかり人間不信になった柴犬は誰も触れない犬になってしまった。処分の話が出たとき、ただ一人だけ、その家族の娘さんが反対し、訓練所を探したそうだ。
この訓練所にやってきて2ヶ月ほど。今日、目の前にやってきたその子はきちんとツケをし、訓練士Hさんの横をチョコチョコと歩いていた。Hさんが止まると、チンとお座りをし、私が横にいても無関心。終始落ち着いて散歩していた。
Hさんは体罰は一切使わない。オヤツも使わない。叱らない。過剰にも褒めない。最初は声もかけない。どの犬にもまったく同じ方法を使う。この子にも同じ方法でしつけをしていっただけである(当然、家の犬達も同じ方法)。
とても単純で簡単(に見えるが実際は難しい。それはこちらの人間サイドの問題なのだが)で淡々とやっていくだけで、犬が変わる。もちろん、同じことを飼い主ができないといけないのだけど、それでもここに預けられた犬達は変わるのだ。見た目大変可愛いMダックスもたくさん預けられている。可愛いけど、人を噛んだ子が多い。
Hさんは「犬種にはまったく関係ありません。どの犬も必ず同じ行動ができるようになります。ただ、時間がかかる子とかからない子がいるだけ。それは賢いとかバカとかの違いではない。気質の違いです。ドーベルマンだから、とかゴールデンだから、とか言うのがそもそもの間違いです。」といつも言う。

「犬をどうにかしてやろうと思ってはいけない。こちらがこだわればこだわるほど、鏡のように相手も反発する。犬が自ら納得するようにしてやるのだ。」
Hさんを見ていると、いつも「マスターヨーダ」を彷彿としてしまう。(Hさんの風貌もどことなく仙人のようなのだ)
そういう言葉を聞くたびに、私は自分の意識と戦っているルーク=スカイウォーカーの気持ちになる。うまくいかないときは、意識しているときだ。無我の境地でやるとうまくいくことが多い。これがいわゆるヨーダの言う「フォース」のことだと思ったのは、最近読んでいる「脳のなかの幽霊」という脳神経学の本でだった(大変面白い本なのでオススメです)。

「試みようとしてはいけない。やるか、やらないかだ。」
「試みよう」としたとき、それは意識(こだわり)であり、つまりフォースではないと思うのだ。
ここにたどり着いた柴犬ちゃんも、家の犬達もHさんに会えて本当に良かったと思う。
今年もがんばって通おうと思いつつ、家路に着いたのだった。
by totozfactory | 2005-01-13 00:31 | 犬のしつけ・訓練