2015年 06月 22日
豆蔦

ちまちまと、社寺仏閣めぐりをしています。
お年寄りの趣味みたいです。(いやもうすでにお年寄りの仲間入りか)
そこに配された木彫や狛犬を愛でています。
新しいアートの力もすごいと日々思うのですが
こういう昔からのニッポンの手仕事の力は、改めて拝見するに
身震いするような力を感じます。
電動工具なんてひとっつもなかった時代に
見るだけで気が遠くなるような繊細でいて、慈しみを感じる優美な作品が
美術館に行かなくてもあちらこちらに存在するのです。
極彩色に塗られていただろう跡だけを残して
木肌をさらし、虫に喰われ、風雨にさらされ山の中で静かに朽ちていく
木や石で出来たそれらは、いずれ自然に還っていくでしょう。
形あるものは、いつかは壊れる
そういう精神の元なのかはわかりませんが
その場から外されて、防腐処理をされ
見る人が触れることもできないガラスケースの中に保存されることは
もし存命であっても作者も望まないかもしれない
と、時折思います。
それを、まだ形あるうちに見る事の出来る幸せ。
苔むした階段をえっちらおっちら上って
ふーと見上げたそこに、それが見えた時の感動は、また格別のものです。
鳥の声カエルの声しか聞こえない、緑一杯の場所に足を運ぶだけでも
来た甲斐があるというものです。
写真は丹波柏原八幡宮の参道階段横の石垣です。
苔むした石垣に、丸っこい可愛い蔦が絡んでいます。
見た目の通り『豆蔦(マメヅタ)』という蔦だそうです。
少し青っぽい緑が苔と相まってとても綺麗です。
■□■□■□■□ Photo by TOTO'Z FACTORY □■□■□■□■