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今日もトト日和 TOTO'Z FACTORY フォトグラファー&デザイナーの秋山伸子です お仕事のことや日々のあれこれを綴っています 写真のサムネイルをクリックで各記事をご覧いただけます

仲間はいらない

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最近のたもん(今日ではありません)。元気にウハウハしてます。
お天気の日には、できるだけ外に出し、運動させるようにし、行ける日には、トトと2頭連れてしあわせの村に歩く練習です。
まだ犬(特に小型犬)には警戒し、吠えたりしてしまいますが、以前だったらトトと2頭歩けるなんて、考えられなかった。私が怖くて行けませんでした。
今は吠えたとしても、何とかする、という気持ちが自分にあるので頑張れます。

家の中では以前に比べ、格段に落ち着きました。仕事中はフリーにしていても傍にいて落ち着いてフセてるようになってきたし、放置していても、ゴミ箱はおろか、室内を荒らすことは一切しません。
以前だったら、パソコン周辺はえらいことになっていたでしょう。

そういう家の中での落ち着きとは別に、やはりヨソの人に対する態度には相変わらずのところがあります。自分を無視する人には、一切知らん顔するのですが、自分を見つめる人には警戒します。
「犬のことばがきこえる」のジャン・フェネルが著書の中で記しているアミシアン・ボンディングをまさに体現しています。
犬は自分を注視するものに対しては、それを「敵対行動」を見なし、警戒し、攻撃しようとします。犬同士、目を合わせてにらみ合った途端にケンカが始まったりするのは、この事を示しています。関西でいう「メンチ切った」、関東で言う「ガン飛ばした」状態です。
もちろん、それをしない犬も多いですが、この行為に対してはある程度警戒はするのです。
ためしに、皆さんの横でくつろぐ犬に対し、上から目をじっと見つめ、無言で近づいてみてください。たいていの犬は目をそらします。「私には敵意はありません」というサインです。
愛想ふってベロベロ舐めてくる犬もいるでしょう。これも同じです。

犬が怖い人より犬が好きな人の方が、たもんはよく吠えます。犬が怖い人は、たもんという存在自体が怖い。見るのも怖い。でも犬が好きな人はまずたもんを見、触ろうとして寄ってきたりします。相手がいくら好意的でも、たもんはそれを好意的とは捉えないのです。
もともと、社会に対して関心がないたもんは、自分に対して関心を払う人(なり犬なり)を警戒します。

知らない人に対して、吠えて呼ぶことや、ベタベタと愛想を振りまくことは、「私の仲間になれ」といういわゆるリーダー行動なのですが、たもんのように「仲間じゃない」と主張する犬より、私はずっと問題がないと思います。



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いくら長い期間預かってもらい、世話をしてもらった、訓練所のemiちゃんにさえ、「オマエは仲間じゃない」と言います。なので、今は通っていても、たもんのリードは私しか持ちません。
たもんは、個性が強い犬だと言われます。私もそうだと思います。
愛想ふりまき、デレデレしている方が、誰からも愛され可愛がられるのに、それをしない。
彼は小さいころから「仲間はいらない」と他人の犬は拒否してきました。今でも仲間はいらないと言う犬です。

今日は、夕方しあわせの村に行きました。久々にマミどんのアルバとも再会。やはり警戒もしないし、「おお、久しぶりじゃん、こんちわ。」と挨拶したら、お仕舞い。
たくさんいる小型犬には何回か吠えました。それでもフセをさせ、我慢させると、プルプルしながらでも我慢してくれるようになりました。以前は私は一切無視されていたのですが、ようやく聞く耳持ってくれた様子です。これがもっときちんと我慢できるようになりたい。今後の課題です。

途中、公園散歩仲間の大型犬の飼い主さんが、2人、自分の犬を連れて通りがかりました。
久々に連れているたもんを見て、「お~い」と手を振りながら歩いてきました。
私は黙って手を振りながら「そのまま通り過ぎて」という身ぶりを返しました。
案の定、たもんは大声で吠え掛かり、飛びかかろうとします。
それを無言で押さえ、必死で座らせている私に、小さな声で「頑張れ!」と言ってそのまま行ってくれました。
そうやって、応援してくれている人が沢山いる。
絶対この問題は、近いうちに克服してみせると決意を新たにしました。


そうやっているうちに、向こうからはちママさんが、ダックスのはち君と、シェパのかつお君を連れて歩いてきました。

正直私は緊張しました。
たもんは、はち君とは仔犬の頃から数回会ってます。お行儀の良いはち君には、たもんは一度も警戒したり吠えたりしたことはありません。
大多数のダックスが大嫌いなたもんも、はち君だけには行かないのです。
でもかつお君は初めて。かつお君が落ち着いた犬だと、私は知ってますが、たもんが脅したら大変だと心臓がドキドキしました。

遠くからやって来る、はちママさん一行に、たもんはとっくに気がついていて黙って待っていました。

やはり、たもんはかつお君にも激しい反応はしませんでした。
最初こそ、吠えたりしましたが、ちゃんと挨拶できたあと、2頭で向かいあってフセて大人しく出来たのです。かつお君がすぐ目の前にいても、たもんはボヤっとしていました。これもかつお君がきちんとしたしつけをされているからだと思います。

その後も、アルバを先頭に後ろに4頭連なって歩いていましたが、たもんは機嫌よく、平静に一緒に歩けました。
たまたま、この2頭はたもんの好きなタイプだったのかもしれません。しかも2頭ともが行儀がよく、挨拶さえ出来ればそれ以上はたもんに対して関心を払わない犬だからだと思います。それでも私は一緒に楽しく歩けたことが何より嬉しく、黙って一緒に歩いてくれたはちママさんにも感謝の気持ちで一杯でした。はちママさん、本当に本当に有難う。
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たもんは、私たちのみならず、他人にも噛みついたことがある犬です。他人を傷つけたことは、私の責任です。誰のせいでもない、100パーセント私の責任です。

たもんの気質が強かろうが弱かろうが、現在まだ残る問題を、私達が問題だと認識している限り、しつけは続けます。続けなくてはいけません。
たもんは、自分にとってどうでも良い問題においては、変化は早く、核となる問題においては、それをなかなか手放しません。現在も残る問題は、過去から最大の核となっていた問題です。

たもんには、誘導の道具は使えません。使えるのでしたら、私はいくらでももっと楽な方法を選んだでしょう。それがたもんにとっては無駄なのだということは、過去の経験で明らかです。
誘導の道具以外の方法では、私達には堀さんの方法しかありませんでした。

以前、「たもんは違う次元にいるようだ。(訓練においてはコマンドにはきちんと従うので)マシンのようだ。」と涙ながらに堀さんに話した遠い目をしていたたもんは、今は私とでも楽しそうに持来もしてくれます。
服従行為から逃避していたたもんが、やっと戻ってきてくれたと思っています。

まだ途上とは言え、物事は結果が全てだと思っています。
いくら努力しても、結果が悪ければそれまでだからです。
その過程において、努力するのは当たり前だからです。

私は結果を出すためにも、努力し続けなくてはなりません。今も。これからも。

ナニをするのではないのですが、わざわざ釣りに連れて行ってるのも、一緒にオヤツを食べたりして、のんびりとした時間を過ごしたいためです。いつでも一生懸命で真面目なたもんに、もっとゆっくり生きていいんだ、生きておくれ、と伝えたいのです。

もっともっと楽しいことを、一杯していくために、私達はたもんという犬をもっと理解し、そして最大限に気をつけ、ただ淡々とやって行くしかないと思っています。
by totozfactory | 2006-10-30 23:35 | 犬のしつけ・訓練