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今日もトト日和 TOTO'Z FACTORY フォトグラファー&デザイナーの秋山伸子です お仕事のことや日々のあれこれを綴っています 写真のサムネイルをクリックで各記事をご覧いただけます

This is it

今日は映画館はレディース・デイ。1000円で観られるので、予告を観てからぜひ行きたかったマイコーを
観に行ってきました。
寂しく一人で(笑)。平日だし。

マイケル・ジャクソン「This is it」 公式サイト・予告編

お涙頂戴モノではなく、全編を通してマイケルのパワフルなツアーリハーサルの様子が映し出されていて、
2時間はあっという間に過ぎて行った。

ダンサー、ボーカリスト、ミュージシャン、舞台、音響・・・全てが超一流のスタッフの中でも、その精度を
さらに高めて行くマイケルは、まさにプロフェッショナルの一言に尽きると思う。

それでもマイケルの姿勢は常に謙虚で、スタッフに語りかけるのも優しく、静かに、穏やかに、そして笑顔を
絶やさない。
「怒ってるんじゃないよ。」「これは愛なんだ。」
言葉の最後には「I love you.」「God bless you.」を加える。

筋肉隆々のダンサーと一緒に、ガラス細工のようなきゃしゃなマイケルが歌い、踊る。でも誰よりも素晴しい。
これが50歳になった人なのかと思うほど、声もダンスも変わらない。

「もう一度やるかい?」というスタッフの声に
「そうだよ、そのためのリハーサルだよ。」と微笑みながら納得行くまで何度も繰り返す。

リハーサルがあれなら、本番のステージはどんなに素晴しく、想像をはるかに超えるものだったろう。

世間の評価がどうであれ、リハーサルに参加するスタッフはマイケルと一緒に歴史に残るステージを
作り上げようと努力していただけに、マイケルの急逝は何よりもショックな出来事だっただろうと思う。

マイケルに限らず、その世界で超一流と呼ばれる人達は、皆共通して謙虚だ。
驕り高ぶらず、周りの誰よりも謙虚に振舞う。
マイケルは真のプロフェッショナルであり、超一流であり、そして天才だ。

天才ゆえに常にパーフェクトを求め、ボロボロだった(という)体を酷使し、本当にガラスが砕けるように
逝ってしまった。

最後に「この映画をマイケルの子供達に捧げる」というクレジットの後、「Heal the world」が流れる。
10年以上前に何かの番組で観たマイケルのコンサートツアーの模様で、マイケルがこの歌を
静かに歌う時、天使がゆっくりと降りてきて、歌の終了とともにマイケルを後ろから優しく翼で包むという
演出があった。
当時はあまりマイケルを聴かなかった私が、その映像を見てなんだかジーンと感動してしまった。
だから強く印象に残っている。それ以来、この曲はマイケルの歌の中でも一番好きな歌になった。
今動画を探しても、そのコンサートの模様は出てこない。

この「Heal the world」は、マイケルの追悼式の最後に、ツアーで彼とデュエットをするはずだった
バックコーラスのジュディス・ヒルが歌っていた。
この女性は誰?と思っていたが、この映画を観て彼女が誰で、どうしてトリを歌ったのか理解できた。

世界中で有名になり、巨万の富を得ても、マイケルは幸せだったのかなと思う。
亡くなった経緯は不幸だけれど、どうか今安らかであってほしい。

天使の翼に包まれて、穏やかに微笑みながら目を閉じていたあの日のマイケルのように。

パワフルできらびやかで、マイケルの溢れんばかりの愛に満ちた「This is it」を観終えた感想は、
ただただ悲しいの一言に尽きる。
彼がこのツアーの本番を一度も迎えることなく、この世を去ってしまったことが残念でならない。
by totozfactory | 2009-11-04 21:31 | 日々のこと。